玩具デザイン開発者の深野洋一による「センシノツエ(裏)」 - セーラームーン保存会

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人物紹介・企画内容

深野洋一とは

「美少女戦士セーラームーン」でセーラー戦士達が使用するコンパクトやロッドをデザイン開発に携わった人物である。主にR編「クリスタルスター」「キューティムーンロッド」、第3部S編「コズミックハートコンパクト」「スパイラルハートムーンロッド」等。玩具の箱であるパッケージイラストも深野氏が自ら描き下ろした版権画である。イラストレーターとしても活躍しており、セラミュの公演パンフレットの表紙や映画「美少女戦士セーラームーンR」パンフレットの見開き挿絵、バンプレスト「ポスタードリーム」専用景品ポスター各種などがある。



企画について

2012年、セーラームーン保存会は同人誌「センシノツエ」頒布告知用特設WEBページの制作を担当。このページは「センシノツエ」を入手出来なかった方に深野氏について知って頂く為、また「センシノツエ」をご購入頂いた方には合わせて楽しんでもらえるように作成している。対談は深野洋一氏とのご縁から実現した企画である。



対談
掲載日:2012年8月29日

初めて携わった「美少女戦士セーラームーン」のイラストについて


深野 : 「美少女戦士セーラームーン」に初めて携わったのは、無印の末期頃に発売用として企画された周辺商材商品の企画書用のレリーフ調のものだと思います。その商品が実現したかどうかは分かりません。キャラクターイラストとしては、R編の電子手帳で表紙用として描いたセーラー戦士達のポーズ指定図が初めてです。これは版元に『こういう絵を描いて欲しい』という要望の為のイラストです。
Mio : 電子手帳は「美少女戦士セーラームーン」TV放送中にCMでセーラー戦士達が遊んでいた玩具ですね。持っていなくてもCMは記憶にあるというファンも多いのではないでしょうか。セーラームーンの表情が変わるジャンケンゲームや相性占いが楽しくて、あたしにとっても思い出が詰まった玩具です。S編の放送時に発売された電子手帳でも外箱のパッケージイラストと本体のカラーインディックスに深野さんの初期商品用版権画が使用されてましたね。

深野 : 版権原画として初めて自ら原画を描いたのは、バンプレスト発・PCエンジン・SUPER-ROMROM用セーラームーンの表ジャケットのイラストです。 裏ジャケットと予約特典ポスターの原画も描かせて頂きました。その後に続編で発売された「セーラームーン・コレクション」の表裏ジャケットも描かせて頂きました。
Mio : 懐かしいですね!台詞にボイスが付いていて楽しくプレイしていました。と、言ってもPCエンジンのゲームソフトが発売された当時(1994年)はコンピュター持っていなかったのでリアルタイムには出来なかったんですが・・・。なので、どちらかというと5人のセーラー戦士によるユニット「Peach Hips」が歌う主題歌シングル「恋する乙女は負けない/同じ星に生まれた二人だから」のジャケットの方が印象に残っていたり。とてもいい曲なんですよね〜♪ あと、余談かもしれませんが、インターネット上のフリー百科事典で有名な某ページでは只野和子描き下ろしと記述されていますが・・・あれは間違った情報ですよね?
深野 : 絵柄的にもしかすると只野氏に間違われたのでしょうか。ある意味では、間違えられたとすれば光栄でもあるのですが(苦笑)。
Mio : 念の為、ディスクジャケットは深野さんの描き下ろしですので!皆様、お間違い無く!(※2013年現在修正されたようです。)



「センシノツエ」を発行するに至り、久しぶりに描いた「セーラームーン」


深野 :「センシノツエ」の表紙は版権を描かなくなってから17年程経っていたので『今の私に描けるのか?』と正直な所は不安でした。 しかし資料を見ながら描き始めたら自然と当時の感覚が蘇ってきて助かりました。どうやら『体』というか『腕』は憶えていてくれていたみたいです。
Mio : さすがですね!深野さんの版権画ってセーラームーンを見てきたコ達なら絶対何処かで目にしてるものばかりだと思います。だけど、お名前のクレジットが出ないから知る人ぞ知る存在で・・・。「センシノツエ」から深野さんに関心を持った方も多いのではないでしょうか。もっと多くの方に深野さんのお仕事について知ってもらいたいですね。
深野 :「センシノツエ」で描いたスパイラルハートムーンロッドはセル画式としては初めてでした(笑)。
Mio : デザイン開発を担当したご本人の初書きというだけでも貴重な表紙絵ですね。
深野 :正直、描くのが大変で思わず「こんな描きにくいデザインした奴は誰だ!って。(笑)」俺かっ!(笑)いや、キューティーもスパイラルも、武内先生ならびに当時のアニメーターの方々はさぞ描きにくかった事でしょう。申し訳なく思います・・・。
Mio : でも、そう言われると直子先生はムーンのコンパクトとかコピーして貼り付けたもので原稿を仕上げてた気が〜・・・。(笑)あとは、簡易化して描かれたりとか。でも、省略出来るのは元のデザインに特徴があるからこそだと思いますよ!

深野 :今回、同人誌の頒布時にお付けしたペーパー用で描き下ろした「スーパーセーラームーン」は深野流です。コミケ・同人即売会の意向を尊重して、僭越ながら何の枷もなく、自然に出て来るイメージで描きました。今まで手掛けてきた多くの版権画のイメージ等が無意識に混ざっているかも知れません。版権との違いは瞳の表現が深野的かも、です。
Mio : 版権版のムーンは当時の絵を思い出して懐かしかったんですが、深野流も一層魅力が増してますね。(上記TOP画参照)凄く可愛くてお気に入りです。資料提供として深野さんから頂いた時、すぐにファイルケースに入れちゃいました!
深野 :版権画を描くに至っての『こだわり』については今もですが、版権画を描かせて頂くときは、キャラデザの方の絵柄に可能な限り似せる事に重点をおきます。『R』であれば只野さん、『S』であれば伊藤さんの絵柄に、です。でも、どうやっても御二方に似せられなかったです。
Mio : セラムンってアニメの作画を見てもわかるようにアニメーターの個性が凄く出てる作品だと思います。そういう意味では深野流のセラムンをもっと見たい気もします。今後もたくさんセーラー戦士達を描いてあげて下さいね!



一番好きなセーラームーンのコスチューム


深野 :セーラームーンですと・・・『R』の劇場版の時の私服が可愛かったので好きでした!
Mio : おお!戦闘衣装で答えてもらうつもりが、私服で来ましたか!(笑)春らしくロマンチックマリンで纏められた洋服ですね!ブラウスのフリルも女の子らしくて可愛いですよね。でも、スカートは超ミニで大胆過ぎるとか。(笑)ちびうさのボーダーと並ぶと親子セットな感じがして更に可愛く感じます。



デザイン制作に携わった玩具について


Mio : 「センシノツエ」ではキューティムーンロッド、スパイラルハートムーンロッドを中心に上げられていますが、他にも変身コンパクト(クリスタルスター、コズミックハートコンパクト)、外部太陽系リップロッド、タリスマン、レインボームーンカリスなどのデザインもされてますよね。特にお気に入りの玩具はありますか?
深野 :『R』と『S』の登場アイテムはどれも心血注いだ物なので、優劣をつけられません。自分バカな発言で恐縮ですが『全てお気に入り!』です。あと、周辺商材について。『S』の時に『ピュアリーパクト』というバイオリズムと汗圧センサーを利用した簡易占い機が発売されたんですが・・・。
Mio : ピュアリーパクト!はいはい、わかります!アニメ放送時のCMでは初代セラミュの大山アンザさんらが出演されてましたよね。タキシード仮面様との愛が30%で倒れるアンザムーン、100%でキスしちゃう二人にCMで流れる15秒間終始釘付けでした。
深野 :この商品の立ち上げ、物自体のデザイン、ボタン操作の基本動作、液晶グラフィックのデザイン・動作パターン、取り扱い説明書の解説イラスト等も担当しました。更には人手不足という事もあって、パッケージ裏面の商品のセンサーに指を当てる写真の男性側の指は私が担当しました。男性の指は私の指です(笑)
Mio : え、あの人差し指、深野さん!?(笑)面白い事実が発覚しちゃいましたね。
深野 :ピュアリーパクトは番組登場アイテムに匹敵する私にとっては思い出のアイテムであります。
Mio : なるほど!最近は「スマイルプリキュア」や「ひみつのアッコちゃん」といった魔法少女ジャンルが化粧品会社とのコラボで話題になっており、ファンの間では「美少女戦士セーラームーン」についても期待が高まっているようです。そういった中で、セーラームーンの当時の玩具が再評価され、子供だった視聴者が大人になって「思い出の玩具をもう一度手にしたい!」と思う方も居らっしゃるようです。数十年の時を経て制作者としてどういう心境ですか?
深野 :嬉しいです。光栄です。今でも気に入って頂けているのであれば、関係者の1人として幸せな事です。『あの時の苦労は・努力は無駄ではなかった!』と思わせて頂けるのですからデザイナー冥利につきます。 可能であれば、いつか皆様とお会いして直にご感想を伺いたいです。

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「美少女戦士セーラームーン」以外の現在のお仕事


深野 :現在も版権画業が多いです。今は新劇場版エヴァンゲリヲンの版権画を多く描かせて頂いております。 近況としては9月発売予定のパズルメーカー『やのまん』の500ピース『カヲル:月下覚醒』と1000ピース『アスカ・レイ・シンジ:爽海休息』があります。またアニメイトから近日発売予定・各種グッズ展開用のシンジ・カヲル・レイ・アスカ・マリの水着版があります。原画作業が終了・納品ホヤホヤ物としては11月発売予定・バンダイ・EVAウエハース用の4種SPカードのイラストがあります。他私がイラスト・挿絵等を担当しております。講談社刊:今野敏・著:宇宙海兵隊ギガースの文庫版5巻が10月に、新書版6巻(最終巻)が11月に発売を予定されております。私が手掛ける情報は随時ツイッターで御報せ致しますので、宜しければTwitterアカウント『Twitter( ID : hoypoykoy)』をチェックして下さい。



 「美少女戦士セーラームーン」という作品について


深野 :きっかけは偶然でしたが、人生においてかけがえのない金字塔の1つであり、初めてのプロダクト・デザインが番組登場アイテムという今でも信じられない奇跡を実現してくれたタイトル。送り手の1人として・ファンの1人として、とても大切な作品の1つです。
Mio : 来年は新作アニメの公開もありますし、更に「美少女戦士セーラームーン」というコンテンツは盛り上がりを見せてくれると思います。どういう形となってメディア展開されていくのか不安もありますが、今後も大好きな作品であることは変わりありません。当時製作に携わった方から当時のエピソードを聞ける機会を与えて頂き、本当に感謝しています!ありがとうございました!


深野洋一


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